加賀一本太葱

《特徴》

 その名の通り、分けつせず、軟白部は太くて長く、肉質は軟らかいことが特徴の品種である。葉は濃緑色で草丈110cm前後、軟白部の長さ25cm前後、茎径2cmぐらいである。越冬性、耐寒性があり、生育は早い。

 甘く軟らかく、独特のぬめりと風味を有した食味は、すき焼きや鍋物に最適である。

 

 

《栽培のポイント》

 

 発芽適温は15~20℃、生育適温も15~20℃で氷点下でも凍結枯死することが少なく、非常に耐寒性が強い。

 土壌適応性は極めて広いが、耕土が深く排水良好な沖積土、黒ぼく土の土壌か砂壌土が適地である。pH5.7~7.4で正常な生育を示す。根は乾燥に強いが酸素要求量は高く排水が悪いと生育が劣り、過湿状態が続くと湿害により枯死する。また、夏場で25℃以上の高温が続くと草勢は弱くなる。

 

【作型】

 

●春まき秋冬どり(推奨)

  〈播種〉3月中旬~4月中旬

  〈定植〉6月中旬~7月下旬

  〈収穫〉11月~3月

 

●秋まき夏どり

  〈播種〉8月下旬~9月中旬

  〈定植〉4月上旬~中旬

  〈収穫〉6月下旬~9月

 

 

①種まき

 地温が低いと発芽しにくいので、春まきは蒔き急ぎに注意する。育苗床は排水と陽当たりの良い土地を選ぶ。播種は畝に厚まきにならないように注意し、散播または条まきする。本葉2枚頃までは適湿を保ち、その後は水分を控え、健苗を作る。

 

②定植

 苗丈30~45cm位、葉数4~5枚程度の苗を用意した畑に溝を切り植えつける。畝幅は70cm~1m、株間3~5cmを基本とする。植え溝は約20cmの深さに掘っておく。

 

③土寄せ・管理

 1回目の土寄せは定植後約1か月後に、肩の部分に追肥を施し、土と混ぜながら溝へ落とす。その後は生育を見ながら、1か月おきを目安とし土寄せを行う。土寄せは緑の葉の付け根以上にかけないように注意する。

 

④収穫

 軟白部を傷めないよう注意して、鍬で土を掘り下げ軟白部を出して、手で抜き取る。